「いた‼ 草野‼ 花咲‼」
その声は先生たちの声だった。
僕と加恋ちゃんは先生たちに連れられて宿泊先の館内に戻った。
館内に戻った僕と加恋ちゃんは先生たちに、みっちりお説教されて、夜が明けてから反省文を書かされた。
僕と加恋ちゃんが夜中にこっそりと外に出たときのこと。
先生たちは各部屋を見回りした後、もう一度、各部屋を見回りしたそうだ。
そのときに僕と加恋ちゃんの姿が見当たらなくて、先生たちは大慌てで僕と加恋ちゃんのことを探したということだった。
……でも……。
でも僕はある意味ほっとしていた。
もし、あのまま先生たちが来なかったら、僕は加恋ちゃんのことを……。
きっと止めることができなかった。
先生たちが来てくれたおかげで、僕は止めることができた。
先生たちのタイミングに僕は感謝した。
* * *
そして夜が来た。
そろそろ寝る時間がきて、みんな布団の中に入る。
……だけど……。
僕は、たぶんそうなると思っていた。
案の定……。