「……優くん……?」


「……そんな……そんなふうに考えるなんて……あまりにも悲し過ぎるよ……」


「……優くん……」


「いいじゃない、もっともっと幸せになったって」


 加恋ちゃんには、もっともっと幸せになってほしい。


「それだからって幸せが消えるわけではないよ」


 絶対に消さない。


「昨日よりも今日、今日よりも明日、もっともっと幸せになろう」


 加恋ちゃんと二人で。


「大丈夫、いつだって僕は加恋ちゃんのそばにいる」


 ずっとずっと加恋ちゃんのそばに……。


「だから笑って、加恋ちゃん。加恋ちゃんには笑顔が似合うから」


 いつだって加恋ちゃんには笑顔でいてほしい。

 そして僕は、そんな加恋ちゃんの笑顔を見ると幸せな気持ちになる。


「優くん……」


「ねっ」


「優くん……ありがとう」


 加恋ちゃんは僕にとびきりの笑顔を見せてくれた。


 そして僕は、そんな加恋ちゃんのことをやさしく抱きしめた。


 そのとき僕は加恋ちゃんに謝ろうと思っていることがあった。


 それは、さっき僕が一方的に加恋ちゃんに……。