「わたし、優くんのことが好き、すごくすごく好き。初めて優くんに出会ったときから日に日に想いが募っていくのがはっきりわかるの」


「それなら僕も同じだよ。僕も加恋ちゃんのことが好き。すごくすごく好き。初めて加恋ちゃんに出会ったときから日に日に想いが募っていくのがはっきりわかる」


 それなのにどうして『怖い』……の……?


「今、この瞬間が幸せ。そしてその幸せが明日も明後日もずっとずっと続いてほしい、そう思うの」


「続くよ。続くに決まってるよ」


 それなのに……。


「わたしもそう思いたいよ。この幸せがずっとずっと続いてくれるって、そう信じたいよ」


「信じればいいじゃない。なんでそんなにも……」


「今、この瞬間がとても幸せなの。だからこれ以上、幸せになったら……」


 ……加恋ちゃん……?


「これ以上、幸せになったら……?」


「この幸せが消えてしまったときに、すごく辛くなってしまうから……」


「加恋ちゃん……」


「だから、わたしは今以上に幸せになってはいけないの。わたしは今でも充分に幸せ」


「……加恋ちゃん……ダメだよ……」