「先生…」


え…


聞き覚えのある声がした



「あ!美波さん!」



こんなところで…



「同じ職場の同僚で…」


優香さんに美波さんの説明をした

オレ、少し焦ってる



「はじめまして…」


優香さんが美波さんに挨拶した



「はじめまして…
いつもお世話になってます」



美波さん、余計なこと言うなよ!

目で合図した




そういう美波さんも

隣にいるじゃん…焼き鳥屋の…



「こんばんは」



彼に挨拶した

結局、どんな関係?



「こんばんは」



よく見るとイケメンじゃん


美波さん
こーゆーのタイプなのか…


でも、まぁ
どんな関係かわかんないけど



わからないけど

明らかにオレと一緒にいる時の美波さんとは
雰囲気が違った

仕事してる時の美波さんでもなくて
合コンの時の美波さんでもない



「じゃあ、先生…また…」



「え…、先生って?」

優香さんに聞かれた


え!


美波さん
余計なこと言うな!



「九條さん、先生…なんですか?」


優香さんに医者って言ってなかった

言いたくなかった



意味深な顔をして

美波さんがオレの方を見た



「この前、話した
いい店の人
美波さんに話したじゃん!」


焦ってる…オレ



「優しい味のお店の…?」



「そおそお!
よかったら今度ふたりで行ってよ」


彼と…


美波さん
きっと彼にも手料理食べさせてるんだろーな…



「あ、でも…
そっちもおいしいですよね
困ってないか…」

彼を見て言った



「…」



オレが余計なこと言ってるかも



「今度、4人で飲みませんか?
あの焼き鳥屋で…
じゃ…」



変な汗かいた