後日また

仕事帰りに優香さんのところに寄った




「じゃあ、また…」


「うん、ありがとう
助かった」


「あ、今日、夜予定ある?
食事でも行かない?」


「…ごめん、今日は…」


「わかった
またね…」





オレと入れ違いで出て行った男性がいた


気になった…



「いらっしゃいませ
あ、九條さん…」



「お客さん、ですか?」



「高校の時の同級生で
このお店の内装してもらったんです
扉の立て付けが悪くて
さっき来てもらって…」



「へー…
彼氏かな…って、思いました」



「ぜんぜん、そんなんじゃないし…」



「誘われてたし…」



「…聞こえました?」



「スミマセン
聞こえました」



「でも、彼、結婚してるので…」



「でも、優香さんに
きっと気がありますよね…
何もなかったら、誘わないと思うし」



「…どぉかな…
じゃあ、九條さんも
この間、誘ってくれたのって…」



「え…」



「そんなこと言ったら失礼ですよね…
この間、ごちそうさまでした
美味しかったです
久しぶりにお酒飲んで
ちょっと酔っちゃって
スミマセン、なんか、私…」



「オレも美味しく飲めたので…」


話の流れから

また行きましょうって言いにくい




なんだろう…


このカケヒキ




なんだろう…


この間の優香さん





今まで

こんなことなかった




好きだから付き合いたい

それで成立してたのに…



美波さんにはフラれたけど



優香さんは、オレのこと…