あるところに、醜い女がいました。
彼女はぶくぶくと肥えていましたが、大変飢えていました。
愛に飢えていました。
彼女が歩けば地が揺れ、道を通れば誰もが嫌な顔を浮かべました。
ああ、私はなんて醜いのだろう。
彼女の心の中は、いつもそればかりでした。
この醜く太った体も、可愛げのない性格も、思ったことがすぐに出てしまう口も、全てが醜い。
何よりも彼女は自分の顔が整っていないことに大変落ち込んでいました。
なんて醜いのだろう、私に生きている価値はあるのだろうか。
そうは考えても耐え難い空腹に抗うことは出来ず、彼女が痩せることはとうとう無かったのです。