「泣くな。形あるものはいつか壊れ、命あるものはいつか死ぬ運命だ。この女はその死の運命だったんだよ」

いつからいたのか、美しくも冷徹な目をした女性がゾーイの傍に立っていた。そして、ゾーイが抱き締めているジャスミンの遺体を無理やり引き離す。

「私が今日からあんたの母親だ。名前はユミル・イェーガー。この女のこと、そして今の名前は忘れろ。お前の名はアテナ。その名の通り戦いに優れた武器となれ!!」

ユミルがそう言うと、泣き続けたゾーイの瞳から涙が止まる。そして、顔から表情が一瞬にして消えた。まるで人形のようだ。

こうして、ゾーイ・テイラーはアテナ・イェーガーとなった。