カミサマを引きつけて、少しでも遠くへ。


 走りながら私は、何であんなやつ助けちゃったかな、なんて考えていた。


 まぁいーや、助けちゃったものは仕方ない。私も奪われることはないし。


 首をちょん切られる感覚は、8年前に経験している。


 多分何度やっても痛いし怖いし慣れることはないけど、それでも「奪われない」とわかっているだけマシだった。


 遥、頑張って千帆を見つけてね。残る仲間に希望を託し、私は死んでいく――そう、思ったのに。