「撮りますね」
ふふ。携帯のホーム画面にしよ。
「待って」
「どうしましたか」
「センセも上は脱いでいた方が、雰囲気でるわね。脱がしなさい」
「しかし。あまり動かすと目が覚めてしまうのでは」
「起きたら気絶させて」
「ほんとにお嬢様は……」
「なんか文句ある?」
「いいえ。私はお嬢様がどれだけ常識から逸脱しておられようと、これまで通り、なんならこれまで以上にお給金さえ支払っていただければ特段申し上げることなど」
「なら、さっさとやって」
「仰せのままに」
ああ。夢みてるみたい。
センセが。
……わたしのこんな近くにいる。
「撮りますよ」
「ねえ、高杉」
「なんでしょうか」
「この写真。既成事実になる?」
「そうですね。この男を破滅させるには十分すぎるのではないでしょうか」