悪いことは言わないから。
な?
はやいとこそいつ追い出せ。
「ワルい子じゃないんです」
世間知らずのお嬢様よ。
オジサンは君の将来が心配だ。
そしてこんなクズに心配されるなよと言いたい。
下心より親心のようなものを抱きつつある。
なんだこの気持ち。
「泊めてくれる友達。いないのか?」
「え?」
「いや、まあ。こんな時間に押し掛けるのも気が進まないのかもしれないが。それでも俺みたいな得体の知れない男の家に上がり込むよりは、よっぽどマシだろ」
それにネカフェでもよかったんじゃね?
金に余裕あるならビジネスホテルとか。
それともお嬢様はネカフェすら知らないとでも。
いや、やっぱり家主を追い出すヤバいやつと縁切れ。
「どうしてです?」
ん?
「あなたはこんなに優しい人なのに。得体の知れない人なんかじゃないです」