「えっ!?それ本当なの!?」

「それはかなりまずいな……」

学校に着いたロネはすぐにネイサンとナタリーに街の人たちの会話を話し、紙を見せた。二人の顔も真剣なものに変わる。

「どうしよう!このままじゃアテナは……!!」

ナタリーが顔を真っ青にする。ロネもどうしたらいいのかわからない。街の人に「アテナはあんな事件を起こしていない」と言ったところで信じてはくれないだろう。

「ロネ、今すぐ森に行ってアテナにこのことを伝えろ」

考え込んでいたロネの肩を掴み、ネイサンが言った。

「先生には俺から言っておく。今すぐアテナに伝えに行かないと、街の人がいつ行動を起こすかわからない。手遅れになるぞ」

「……ッ!わかった!!」

ネイサンの言葉にロネは迷っている時間はないと学校を飛び出す。早くアテナの場所に行きたい一心で、普段はあまり使うことのないほうきも取り出した。

「ウォラーレ!」

ロネが呪文を唱えると、ふわりとほうきは浮き上がる。ロネはほうきを全速力で飛ばしながら森へと向かった。