「そんな顔をするな」

黙ってしまったロネたちに、アテナは優しく微笑みながら言う。ロネは「アテナ……」と呟いた。ロネの頰をアテナが優しく撫でる。

「ありがとう、そう言わせてくれ」

「……うん！」

四人は家の外に作った木でできたテーブルにパンケーキを並べ、同じく木でできた椅子に座る。そして四人で手を合わせた。

「いただきます！！」

四人の声が響く。それから調理をしている時よりも賑やかな時間が訪れた。

「このハーブティーおいしい！作り方教えて！」とナタリー。

「わかった。今度教えよう」とアテナ。

「ジャムうまく作れてよかったよ〜」とロネ。

「みんなで作るとやっぱりうまいな！」とネイサン。

学校で起きた楽しいことをロネたちはアテナに話しながら、いつもとは違うおやつの時間を楽しんだ。



それからも、ロネたちは時間があればアテナのもとへ通い、時間を忘れて話したり遊んだりした。

街では変わらず事件が起き、人々の顔から笑顔は日に日に消えていっている。街の空気は重く、ロネはそんな街を見るとすぐにでも森に飛んで行きたくなるのだ。