こういうときは人形になればいい。
ただ何も思わず、なにも感じない。

そうすればみんなつまらないと言って去って行く。


早く、早く去って行け。
どうせこいつも皆と同じだ。


馬鹿にして嘲笑って、そうして殴るんだろう。



「でもお前、局長に認められたってことやろ?凄いんやな」


「…え?」


「それにあの土方さんの許可が下りたからここにおるわけやし。中々やるやん!」



あははっ───。

そう笑ってポンポンと頭を叩いた。


間抜けに開く口、パチパチと瞬きを繰り返す私に気づかない少年。


楽しそうに笑うその男の子は、どう見ても嫌味など1つも込められていない。

こうして同年代の人とここまで話したのも初めてのこと。



「よし、気に入ったで!今日から俺の下僕にしてやるわ!」


「…下僕……僕のが年上なのに」


「全然そんな感じせんやん。な?明日からすぐそこの神社に来ぃや!遊んでやるわ」


「なんでそんなに上から目線なの…!」



こんなに声を上げたのは初めてに等しかった。

自分でもこんな声が出せるんだとびっくりした。


でもこの少年には効果無し。

もっと笑い出してる。