「沖田さん、…変なの」



本当は女の子だと知ったとき、僕はすぐに土方さんに言ってしまおうかと迷った。


黙っていても仕方がないって。


そもそもこれは局中法度には無くともわりと大変なことだ。

もし梓が土方さんも近藤さんをも騙してこの場所にいたとしたならば、僕だってそれは黙っているわけにはいかない。


でもこうして君の姿を見たとき、きっと土方さんも近藤さんも全て知ってるんだろうなって思った。



「だいぶ日も暮れちゃったね。そろそろ帰ろうか?」


「うん…」


「あれ?まだ帰りたくない?」


「あのね、沖田さん、」



なにかを隠すように、目線はキョロキョロと泳いでいる。

手はぎゅっと固く握られて、それでいて口を開けたり閉じたりを繰り返して。



「ん?なぁに?」



子供の扱いはお手のものだから。

こうして優しく覗きこんであげれば誰だって途端に泣き出すか、甘え出すかのどちらかだ。