その青色をつまんで、空へとかざしてみる。



「…私の……だ…」



でもどうして…、土方さんにあげたものなのに。


誰かが届けてくれたのだろうか。

彼の最期を目にした「誰か」が、たまたまこれを拾ってくれて。


心優しいそんな人が、私の元へ届けてくれたのだろうか。



「っ…、…こんなのひどいよ…、」



私だと思ってずっと持っていてほしかった。

そしてもし戻って来たならば、このビー玉だけじゃなくてその人と一緒に。



「…やだよ…、こんなの……っ」



本当はずっとわかっていた。

彼等に出会ったときから、どこかでそう思っていた。


いつか離れてしまうときは来るって。
いつか、私は本当に1人になるって。

それでも私に居場所を作ってくれた。


帰る場所を、作ってくれた。


でも土方さんは、彼だけは居なくならないってやっぱりどこかでそう思ってた。



「ひどいよーーー……っ、」



…戻って来ちゃったんだね。


私の気持ちと一緒に。



サァァァァァァァ───…。