今紅と2人でしている遊びはこの庭で四葉のクローバーを探し出すことだ。
この頃よくしていた遊びの一つがこれだった。

まあ、俺は早々に飽きて紅には内緒で他のことをしているのだが。
…もちろん紅が拗ねてはいけないので他のことをしている傍らでクローバーも探している。


「あ!あった!あったよ!こはく!」


黙々とその場に座って他のことに集中していると向こうの方から紅の可愛らしく喜ぶ声が聞こえてくる。


「!わあ!ここいっぱいある!すごい!」


紅の嬉しそうな言葉曰くどうやら紅が探していた場所周辺には四葉のクローバーが大量にあったらしい。

少し気になって集中していた他のことを中断し、顔を上げて紅の方を見れば嬉しそうに四葉のクローバーを両手に握りしめてこちらに駆け寄ってくる紅の姿が目に入った。


「こはく!みてみて!」


俺の元までやって来た紅が両手の四葉のクローバーを俺に見せる。
その手には4本の四葉のクローバーがあった。


「すごいな。そんなにあったんだな」

「うん!はい!これこはくにあげる!」


紅の持ってきた四葉のクローバーの数に関心していると紅は嬉しそうにその内の一本を俺へ渡してきた。


「え?いい。こうがねがいごとをしたくてあつめてたんだろ?」

「そうだよ!でもこはくのおねがいごともしないと!」

「んー。べつにおれは…」

「おねがいいっしょにするの!」

「…わかった」


要らないと断ろうと思ったが頬を膨らませて俺に詰め寄ってきた紅に押し負け俺は紅から仕方なく四葉のクローバーを受け取る。


「こはくはなんておねがいごとするの?わたしはりっぱなとうしゅになれますよーに!ておねがいする!」

「んー。おれもそれかな…」

「ほんと!?いっしょだねぇ!」


にこにこと可愛らしい笑顔を浮かべる紅の疑問に対してめんどくさいので適当に答えると紅はその答えが本当に嬉しかったようでそれはそれは嬉しそうに笑っていた。