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1時間程かけてやっと琥珀と決めた服を身に纏い、琥珀と共に学校から指定を受けた街へやってきた。

時刻は昼過ぎ。天気はどんよりとした曇り空。
曇り空な為、強い日差しこそないが地味に暑く、嫌な気候だ。
私はそんな中、額に薄らと汗を浮かべ任務の為に琥珀と共に街をとにかく歩き回っていた。

そんな過ごしやすいとは言い難い環境で私とは正反対に汗ひとつかかずに涼しい顔をして私の横を歩き続ける美女をチラリと見る。

この大変美しい美女は琥珀だ。
腰まである真っ直ぐな黒髪を靡かせて歩く琥珀の姿に振り向かない者などもちろんいない。

シンプルなシャツとロングスカートを完璧に着こなしている琥珀は綺麗系美女になっていた。


私が男なら絶対惚れてる。


対する私は可愛らしいワンピースを着ており、アッシュのふわふわの髪を高い位置で一つにまとめている。
鏡で自分を見た時は私の容姿も琥珀と同じように普通にいいので儚げ美少女、と言う感じになっていた。

高身長の綺麗系美女と儚げ美少女。単体でも十分に人の目を惹きつける存在だ。2人でいて目立たない訳がない。

あとはとにかく妖の目に止まるように街を歩き続ければいい。

できれば早く目に止まって欲しい。
この暑さの中で歩き続けるのは普通に辛いものがあるし、何より長引いた服選びによって元々私は疲れている。