「不愉快だ」


バチバチと右手から放電し続ける琥珀が冷たくそう言って私の胸元を睨む。

雷は火と同じ攻撃型の能力。
水みたいに火と相性が悪い訳でもないし、同じ攻撃型でも火の方が強い。

それに加えて今の私は2回目の実力がある。
間違いなく今の私は琥珀に勝てる。


じゃなくて!


今やるべきことは戦うことじゃなくて琥珀を落ち着かせること!


「不愉快にさせてごめん!でもこれはおまじないで、決してやましいものではないの!」

「…」

「本当だよ!不愉快だろうけど雷撃はやめて!」


とにかく琥珀を落ち着かせようと一生懸命言葉を羅列させていく。
琥珀は未だ黙ったまま。

もう不愉快にさせたことをひたすら謝るしかない!弟にキスマーク付けさせてごめんなさい!
いや付けさせた訳じゃないけど!でもごめんなさい!


それから思いつくままに黙ったままの琥珀にそれはもうすごい勢いで私は謝り続けた。