「…サラシ取るのは嫌?」

「…うん」

「わかった。じゃあそのまま体拭くね」


私の羞恥心に気づいたのか可愛らしい顔をコテンと傾けて私を見つめる朱に私は何とか頷く。
すると朱はそのまま濡れたタオルで私の汗を拭き始めた。


「はい。終わったよ。もう一回バンザイして」

「うん」


私の汗を拭き終わった朱は今度は新しい服を私に着せる。
朱のおかげで私は薬も飲めたし、汗も拭け、新しい服にも着替えることができ、少しスッキリした。


本当によくできた弟を持てた私は幸せ者だ。


「…ありがと、しゅう」

「全然だよ。さあ、兄さん。ゆっくり休んでね。何かあっても僕が必ずいるから大丈夫だよ」

「うん」


朱にお礼を言うと朱は私にいつものように愛らしくそして優しく微笑んだ。

意識がだんだん遠のいていく。
きっと薬が効き始めたのだろう。

再び目を覚ます時にはもう朝できっと私の体調も回復しているはずだ。


そうして私はゆっくりと意識を手放した。