「志木、お父さんみたい」

「せめてお兄さんにしてください。あなたとそんなに歳は変わらないんですから」

「老け顔気にしてんの?」

「老け顔ではありません。大人っぽい顔立ちなだけです」


そんな口聞けるならまだ元気ですね。ほら、風呂に行きなさい!
志木はそう言ってあたしにバスタオルを渡してきた


「風呂上がったらここにいる?」

「ええ、待ってます」

「女の子の風呂上り待ち伏せとか、趣味悪!!」

「風呂の湯、50℃にしますよ」


地味な嫌がらせやん。

志木に泣くなって言われたら、泣き止むよ。悲しい顔させたいわけちゃうし。

志木はあたしよりも頑固や

隠してることは教えてくれへん。あたしを守るために、そう言った


前も言ったけど


あれ以上苦しむことなんてないのに


でもそう思ってるのはあたしだけやった。

あたしをあれ以上苦しめることなんて簡単やったみたいや。

あたしは甘くみていたんか、見たくない真実から目を背けていたのか。


志木が言わなかったのは、あたしの心が壊れてしまわないようにするためやったんやな