「それはできません」

「なんでなん!命令や!もう懲り懲りや。もう誰かに守ってもらうのも嫌や!それで誰かが傷つくのも嫌や!何を隠してるん?なんか知ってるやろ。わかるねん。何年一緒に居る思ってんねん」


なめんなよ
あたしの家族は志木だけやったんやで
小さい頃からずっと…一緒に居たやん
そんな近くにいたのにさ

分からへんわけないやん


「だからですよ」

「何が」


「ずっと一緒に居たからこそ、守ってあげたいって思うのは悪いことですか?」


違うねん。もう、しんどい
志木が何を隠してるのかなんて分からへんけど、あたしのために裏で何かしてる

それでもし傷ついたりしたら?
もし1人でサトルのところへ行ったら?

怖いねん


「全部なくなるねん。もうすぐ全部なくなるから…志木だけは…志木だけはどこにも行かんといてよ」


志木の前で

久しぶりに泣いてしまった


志木はあたしの涙に弱いからさ。だから志木の前では泣かへんようにしてたのに。


急に怖くなった

志木がいなくなったらって思ったら

あたしのために無茶をする志木をみてられへん