外に出たいにしても
田畑に頼んで、自分の身体を差し出すなんて、正気じゃない。

無理矢理なんかされたんかと思えば、鈴から提案したって…ほんまかわからんけど

田畑のあの自信からして

ほんまなんやろな


思い出しても気持ち悪い。吐き気がする。
さすがの志木も、そんな事とは知らなかったみたいやし。


明日にでもクビにならんかな



「お待たせしました」


いい香りと共に志木が帰ってくる。志木の淹れてくれる紅茶は美味しい

この香りが落ち着かせてくれる



「志木?」

「はい、なんでしょう」

「鈴は外に何をしに行ってたと思う?」

「……わかりません。想像がつきません」


嘘つき



志木は嘘つきや


志木は優しいからさ?あたしに嘘つく時、少し苦しそうな顔をする。アホやな
いつもみたいに平然としてたら分からへんのに。

嘘ついてごめんなさいって顔をする


それを見て見ぬふりをしてきたけど、もうできひん



「相変わらず、嘘が下手やな」

「…すみません」




「命令や」


もう時間がない気がするねん。だから



「あたしに隠してること、全部話して」



あたしを守る嘘ももう、つかんといて