あたしも信じられへんけどさ

信じたくないけどさ



「鈴と田畑、なんかあったっぽい」


今日あった出来事。聞いた話。志木に話した。聞いてる間ずっと黙って聞いてくれてたけど、時々ものすごい表情をしていた


「ほんまにびっくりした。気持ち悪い。もっかいお風呂入る」


体の鳥肌が止まらへん。
触れられたことは勿論、志木が来てなかったらと思うと、震えが止まらへん


こういう時どうしたらええんやろな。
殴り飛ばせた。抵抗できた。
けど、鈴でいなあかんと思うと、どうしてもやり切れへんかった


あたしは何を大事にしてるんやろな



「お風呂の準備するんで、少しお待ちください。あとこれも…片付けますね」


部屋に入った時に志木は飛び出してくれたから、せっかく入れてくれた紅茶がひっくり返ってる


「お風呂してきて。これはあたしが片付けるわ」

「やりますよ、置いておいてください」

「やる。なんかしてな、しんどい」


そう言うと分かりましたと言い、志木はあたしに布巾を渡してくれた