「莉央、はやくしろよー」
「まだ準備終わってない!」
「俺も終わってなーい」
「未来翔もかよ笑 じゃあ先に華帆と行ってるな」
「外で待ってろよー」
「おう」

なんかやだな。
なんもなきゃいいけど…

「未来翔ー終わったよ!」
「じゃあ、行くか」
「うん」

そう言ってそ靴を履き替えていると、華帆と玲於が楽しそうに話しているのが聞こえてきた。

「そういえば、華帆って好きな人いないの?」
「いないよー笑」
「そうなんだ」
「玲於くんはどうなの?」
「俺は…いるよ」
「そうなんだ!莉央でしょ?」
「え?莉央はただの幼なじみだよ。俺の好きな人は、か…」
「お待たせー!」

と、そこまで言いかけたとこで未来翔にさえぎられた。 未来翔は気づいているのかもしれない。
私が玲於を好きだということを。
それを知っていて遮ってくれたのかもしれない。
うっすら気づいていたんだ。
玲於は華帆が好きなんだって。
でも認めたくなかった。
本気で玲於が好きだったから…

「お、おせーよ」
「あはは、わりぃわりぃ。で?何話してたんだよー?」
「なんでもない」
「あそ?じゃあ、行こーぜ」
「ああ。」

「莉央?どうかした?」
「あ、あの…ちょっと具合悪いから先帰るね」
「え?大丈夫?」
「うん。」

嘘だ。本当はこの場から逃げたいだけ。
今にも泣き出しそうだから。
誰にも見られたくないから。