翌日 面会時間を待ちわびて 病院に駆け付けた母。
日中だけ 病室に来る赤ちゃんを抱きしめて、
「おめでとう 麻有ちゃん。可愛いわ。」
三人目の孫は 初めての女の子だから。
「ありがとうございます。智くんに そっくりでしょう。」
麻有子は 嬉しそうに言う。
「そう?目元は 麻有ちゃん似よ。」
と赤ちゃんを見て微笑む。
「私 安産らしいです。すごく苦しかったけど。あれで安産なら 難産の人って どんなに苦しいんだろう。」
と言う麻有子に笑う。
「そうよね。沙織ちゃんは 翔の時でも 一晩以上かかったもの。麻有ちゃん 本当に 安産だわ。」
と言って母も笑った。
「今日は さっそく 胸のマッサージをされたの。少し お乳が滲むんです。」
麻有子が言うと 優しく頷いてくれる。
「智之 すごく喜んでいたでしょう。私に電話してきた時も すごかったわ。」
笑いながら言う母に
「何て 言っていましたか?」
と麻有子は聞いてみる。
「すごい美人だから 見たら驚くよって。もう 親バカが始まっているって言ったの。でも 可愛いわ。本当に美人になるわ。」
と母も満面の笑顔で言った。