分娩室に移って 一時間くらい経った時 扉が開いて 看護師が出てくる。
 

「おめでとうございます。どうぞ。」

と智之に言った。


防菌服を着て 中に入ると 元気な泣き声が聞こえる。



「お父さん 元気な女の子です。」


産まれたばかりの 赤ちゃんは 裸のまま 麻有子の胸に乗っていた。
 

「麻有ちゃん。ありがとう。」

分娩台に駆け寄ると 麻有子は 笑顔で頷いてくれた。
 

「お父さん、どうぞ。」


麻有子の胸から 赤ちゃんを受取った看護師について 智之は 赤ちゃんの診察台に行く。
 

看護師は 赤ちゃんの体を 綺麗に拭き 全身のサイズを測る。


そして目薬を点したり おへそを消毒したり。


その間中 元気な泣き声を 上げ続ける赤ちゃんを 智之はずっと見ていた。




産着を着せた 赤ちゃんを 

智之は やっと 抱かせてもらう。