誰かと待ち合せを決めて、食事をセッティングすることが 

こんなに楽しいと 思ったことが 智之にはない。


麻有子との時間を 想像して。

麻有子の反応を 想像して。


色々 調べたり 悩んだり。


これが 恋だと言うのなら 今まで付き合った人には 

とても失礼だったと 智之は反省する。
 


待ち合せた 品川駅。

麻有子には 車で来ると 言っていなかった。


ホテルの駐車場に 車を入れて 智之は 駅前まで歩く。


待ち合せの5分前。


駅を見つめる 麻有子がいた。


微かに 首を傾げて 出てくる人の中に 智之を捜す麻有子。


その横顔を見た時 智之の心から 愛しさが溢れる。