『…え!』

『悪い妖怪たちが、この札幌を占拠しようと一般市民に手を出してきたんだ。それを護るために、菩提さんやなずちゃんら陰陽師、あと《神の力》を持つ術者たちが、その悪い妖怪たちと戦ったんだって』

『………』

『…って、信じられないでしょ?だって俺が高校三年生の時?そんなの当時は微塵も気付かなかった』

『お、俺も…』

『でも、後から考えてみたら、あの当時は不可思議な事件がいっぱいあったんだよ。行方不明者が多かったり、すすきののホテルが突然爆発したり』

『そういえば…』

確かそれ、麗華さんとこのホテルだったような。


それに、咲哉さん。

今、《神の力》を持つ術者って…その《神童》とやらのことを知ってる?



『その戦い…どうなったんですか?』



そう問うと、咲哉さんは『それは、今見ての通りでしょ?』と、ドヤ顔をする。



そうか。

陰陽師や神の力を持つ術者たちが、悪い妖怪たちを撃退した。

勝利したということだったのか…。




しかし、咲哉さんは寂しそうな顔をする。



『…でも、あの当時は気付かなかったんだ。まさか、俺の友達がその戦いに関わっていたなんて』