翌日…。
「行ってきます。」
「待って!空!」
私の母である。
「何?」
「はい!これ…」
小さな箱…
可愛く ラッピングされて
赤いリボンがついていた。
「開けてみて!」
母は 笑顔で言った。
小箱を開けると…
ケータイが 入っていた。
「え?いいの!」
「もちろん!
合格祝いょ。遅れちゃったけど!」
「ありがとう。」
私は両親が好き。
他の子は
親が ウザイとか うるさい
って 言うけれど…
正直…
その気持ちは 分からない。
登下校はいつも
桜と一緒だ。
特別 家が近いわけでも無い。
私の家から 10分ほど…
学校は 電車で駅を2つ越し
それから バスで 5分
バス停からは 歩きで 3分の所だ。
「おはよう。」
桜に私は挨拶をした…
すると…
「早く!
遅刻しちゃうよ!」
「ウソ!
あ!本当だ…ごめん。」
息を切らし
電車に乗り、バスでまで少し。
「間に合った!」
「ふぅ~」
「座ろう…」
私たちが席に着くと…
「はぁ、はぁ」と
生きを切らした
身長の大きい男子が
乗り込んで来た。
彼は 綺麗な顔立ちで
細身の体。
でも…
彼の瞳は…
何だか 希望も夢も無い
霞んだ瞳をしていた…。
教室に入り 席につく。
先生が来て 朝のSHRが
始まった。
「はい。じゃあ、
編入生、入って…」
ガラガラ っと
ドアが開く…
クラス一同 一点に釘付けだ。
「「「カッコイイ~」」」
編入生が 入ると同時に
クラスの一部の
女子が 叫んだ…。
私は 編入生をみた。
「あ!朝の…」
彼は 私を見た…
彼も 私に気付いたらしぃ…
「自己紹介、ヨロシクな!」
「水越 海です」
彼は 冷淡口調で
愛そうの無い…
「水越に質問のある人!」
色んな人が手を上げた。
百々も手を上げていた…。
「じゃ~蒼紫!」
蒼紫とは、百々の名字。
「何処から来たんですか?」
「ロス」
やっぱり 冷淡口調…
「他に!」
「はい!」
穂坂 林華だ。
林華は 学校の マドンナ的 存在。
綺麗で スタイルもいい。
完璧に 近い…。
「穂坂。」
「彼女とか…
居ますか?」
林華は 顔を赤くして…
きっと 男子は
これを 見て可愛いと思うのだろう…
一瞬、彼の瞳が…
とても、悲しい瞳に見えた…
気の…せいか…
「いません…」
「じゃ!SHR終わりな!
水越は穂坂の隣…!
皆、仲良くな!」
僕は 席につく…
すると 隣の女子が
話しかけて来た。
「私、穂坂 林華。
林華って呼んで!
分からない事とかあったら
聞いてね!」
僕は 思った…
お節介な女…
人によって 態度を
変える奴だな…。
「あぁ。」
僕は 軽く流した。
「海って
呼んでもいぃ?」
「勝手にしろよ」
冷たく 僕は言って
立ち上がり
教室から出た。
僕は 人と関わりたくない。
あの日から
僕は 変わってしまった…
その人を見て…
どぅゆぅ人か 分かってしまう…
特別な能力じゃない。
僕は おかしい…
~♪♪
メールが届いた
着音で 目が覚めた。
「桜?」
〔空!来ないから
先行っちゃったからね!
早く 起きろ!〕
ぱっと 時間を見た!
やばい!!!
走って駅に付き電車に乗った。
バスまでもう少し…
あ!待って…
あぁ~行っちゃった…
最悪だ~
高校になって
遅刻は初めてだ…
ぱっと 回りを見渡した…
あ! 編入生だ!
ちょっと 安心…
バスが来るまで
ベンチに座って 待つことにした。
すると、編入が私の隣の座った。
パンを食べていた…
お腹が減るじゃん!
「食べる?」
編入が突然話しかけて来た。
「え?」
「腹鳴ってる…」
ん~
恥ずかしい…
「自然現象ですから。」
「っふ」
鼻で笑われた。
「あんた、面白いな…」
「そうですか?」
「あぁ~
はい、これ飲め。」
彼は私に
リンゴジュースを手渡した。
「ありがとう~
…ございます!」
「ため口でいいし。」
「うん。
美味しい!」
彼は また笑った。
でも 笑顔とは違う…
なんか…寂しそうな…
そんな 表情にしか…
私には 見えないの…。
学校に着いた…
なんか…憂鬱。
「お前等…遅刻だぞ。」
担任の山国が やけに 冷静に言った…
「すいません」
私が謝ると…
「まぁ~
放課後掃除してくれんなら…
見逃してやっても、いいぞ!」
「分かりました。」
彼が言った。
なんか 物分かりのいい人…
文句も 嫌な顔もしない…。
「おはよう…桜。」
「おぅ!やっと来たかね!
お寝坊さん!」
「なんか…キャラ変わってない?」
「あははは!
放課後掃除頑張ってね~」
「ふんだ!」
「まあまぁ。」
「あれ? 百々は?」
「さぁ?さっきまで居たけど…」
「ふぅ~ん」
キンコーン カーンコーン
チャイムと 同時に席に着いた。
「おはよう。海…」
「おはよ…」
「どうしたの?」
「別に…」
「……」
林華は黙ってしまった。
まぁ、いいけど…。
放課後…
海が帰ろうとしていた…
あのヤロ~
バックレるなんて
甘過ぎる!
「水越~
遅刻したんだよね~
放課後掃除~
忘れたの~」
私は 馬鹿でかい声で
言ってみた…。
海は 振り返り
私に
「後は…任せた。」
え?
ちょっと…
絶対 逃がさない。
ガシ っと
海の腕を 掴み
「掃・除!」
笑いながら私が 言うと。
「しつこ…」
結局 海は 掃除を
やることに なった。
勝った!
「めんど…」
「水越って~
なんか…変わってる。」
「海で いいし。」
「うん。」
すると…
廊下から 怒鳴り声が聞こえた。
「可愛子 ぶってんじゃね~ょ」
「まぢ、うぜぇ~」
女の怒った声だ。
教室のドアの隙間から
覗き見した。
そこには 百々が居て
女子の先輩が キレていた。
「やばいょ…
助けなきゃ。」
グィッと
後ろ襟を 引っ張れた。
「ぅえ。
死ぬかと思った…」
「掃除しろ!」
「だって、百々のピンチだょ」
「んな事知るか!」
「でも…」
「さぼるのか?
人には やらせて…」
「それと、これとは違…」
すると…
「百々に手~出したら…
お前等、殺してやる!!」
怒鳴り声が聴こえた。
私は 廊下を見た。
え?百々が 二人?
「バカ。良く見ろよ…」
ポンと 海に頭を
軽く叩かれた…。
私は 良~く見た…?
分からない
似ている…
いゃ あれは
百々が 分身したんだ。
「蒼紫 百合だよ、
百々の双子…」
「百々が双子!?」
「早く、掃除しろ」
「はぃ」
廊下では…
「誰だてめぇ~
てか、似てね?」
「消えろよ!」
すると 百合は
「お前等こそ、
早く、消えた方が
いいぞ…」
「生意気なんだよ!」
先輩が百合の
腹を蹴った。
「調子こいてんじゃね~」
ボコ!
百合が キレて
先輩を 思い切り 殴りかかった。
「やばいょ…
こいつ、行こ。」
先輩はその場から
逃げた。
トントン…
誰かに 肩を叩かれ 振り向く…
そこには、咲がいた。
咲とは たまに話す仲で
そこまで 仲良くはなかった。
「ねぇ…空。
ちょっと いぃかなぁ?」
「うん。」
中庭のベンチに座った。
「あのね、空にお願いがあるんだけど…」
「何?」
「空さぁ、葵くんと
仲良いよね?」
「いゃ…別に…」
「でね!協力してほしいの!」
「いいけど…
私、何もできないょ…」
「ちょっと、誘ってほしんだ!」
「ん?」
「空が葵くん誘って、
三人で遊ぶの!
それで、空はドタキャンして
私と葵くんの二人きり!
みたいなぁ…ダメ?」
「いいけど…葵は…
無理って言うと思うょ…」
「空なら大丈夫だよ!」
「うん…分かった。」
葵とは 小学校が 同じで
ずっと 一緒にいた…
まぁ…六年間。
中学と同時に 名門私立中学校に
行ったので…
久しぶりに 会った…
高校に入ってからは…
一回だけ 話た。
「じゃ!宜しくね!」
そぅ 言って 帰ってしまった…。
はぁ~ とため息を着いた。
あ! 丁度良いタイミングで
葵を発見!
私は駆け寄った。
「葵!!」
「何だよ…珍しい。」
「ちょっと…いい?」
「何?」
「暇な日ある?」
「無い」と言って
スタスタ歩き出した。
「ちょ、ちょっと待って!」
「俺…忙しいから。」
そぅ 言って帰ってしまった。
皆、自分勝手…。
「空~!
探したよ~」
「ごめ~ん」
桜が私を呼びに来た。
「どうした?」
「何でも…無いよ!」
笑顔で私は答えた。
「あ!海くんだ…」
「え?」
すりと 木陰の 芝生の 上で
風にうたれて 気持ち良さそうに…
寝ていた…
綺麗な 寝顔
僕は 寝てる振りをして
空の 話を 聞いていた…。
翌日…
「空!どぅだった?」
朝から、めちゃめちゃ 笑顔で
私に話しかけてきた。
「ごめん…
葵、忙しいから無理だって」
「役立たず」
ボソッと 咲が言った…
咲は さっきの笑顔が
嘘みたいに、嫌な顔をした…
「え?」
「ありがとね!
これからも、頑張るから
応援と協力宜しくね」
また 笑顔で返した。
嫌な感じがした…。
「よぅ…」
後ろから 海が来た。
「お、おはょぅ…」
そう言って 教室に入る。
パッと 海の方をみた。
林華が 海に 話しかけていた。
「おはよう!海!」
「おぅ…」
そう言えば 海と呼んでいるのは
私と 林華の 二人だけ だった。