｢……あのさ、｣
沈黙を破ったのは私。
｢ん？｣
｢今の話、本当？｣
｢…うん。｣
ちょっと恥ずかしそうに"少しでも長く居たいから"と付け加える雅を見ると…。
……どうしようもなく申し訳なく感じる。
｢………ごめんね。｣
｢いや!俺が勝手に待ってただけだし。こっちこそごめん。｣
……なんで謝るの？
なんでそんなに優しいの？
｢ごめん……。｣
｢だから、これは！｣
｢そっちじゃなくて…。イヤ、そっちもだけどさ…。｣
雅。
私、雅が本気だなんて思ってなかった。
いつも優しくて、でもそれは皆に優しい訳で…。
人気者で、モテてて。
告白する数週間前まで、"彼女ほし〜"とか嘆いてて。
だから―…
｢私、雅が本気だなんて思ってなかった…。｣
｢………。｣
｢…ごめんね。｣
私、最低。
よく考えると、こんなにイイヤツな雅が、適当に付き合ったりしないよね。
｢……まな。｣
横を向くと、真剣な顔をした雅の顔があって、何を言われるのか、心臓がバクバクしてる。
