今日はありがとうと言いながら彼女は席を立った。



「また私と映画見にいってよ。君になら…なんでも話せるような気がするの。」



少し悲しそうに手を振る彼女に手を振り返すこともなく、僕はただ呆然とそこへ座っていた。


彼女の姿が見えなくなった時急に寒くなったように感じた。


帰ろうと立ち上がり暗がりの中歩き出す。


ところどころ付いている街灯が彼女のように悲しそうに点灯していた。