「……漣さんはとても人気者だ。しっかり捕まえておかないと、他の人にとられてしまいますから、気を付けてくださいね、月城くん」
 「………え……」


 関と自分だけで話をしていたと思っていた響は驚き、周りをキョロキョロと見る。すると、すぐ後ろに不機嫌そうな千絃が立っていたのだ。


 「千絃………いつからそこに………」
 「関さん、こいつ借ります」
 「え……なに………」
 「はいはい。10分後には会議だからな」
 「わかってます」


 千絃はそう言うと、さっさと歩きだしてしまう。ついてこい、という意味だろうと理解し、響は彼の後を小走りでついて行った。

 千絃が入ったのは、響もよく利用する小さな会議室だった。響が入ると、彼はドアを閉めた後、鍵まで閉めた。
 その後はあっという間だった。


 「千絃……んっっ………」