穏やかな会話を交わしながら歩いていくと、あっという間にお店に到着した。
 商店街の入り口にある平屋の小さなお店は、とても雰囲気があった。
 和歌が「ごめんくださ」と言い中に入ると、「先生!お待ちしておりました」と、和服姿の女性が出迎えてくれた。響の両親ぐらいの年齢だろうか。ニコニコした目や口元にはシワがあったが、とても可愛らしい小柄な女性だった。


 「お邪魔します」
 「あら……もしかしてこの方が?」
 「えぇ。よろしくお願いします」
 「もちろん!任せてくださいな」


 響を見つめ、ニコニコしながら和歌と会話をする女性。2人が何を話しているのわからなかったが、どうやら響がここに来るのを伝えていたようだ。


 「では、お嬢さん。こちらへどうぞ」
 「え?」
 「漣さん、いってらっしゃい」
 「あ、あの!どういう事ですか?」
 「さぁさぁ。こちらへ。私がお話させていただきますよ」
 「あっ!ちょっと……待ってください!」