知らないところで努力し、仕事では結果を残していた。そして、女の人にもモテ、仲間にもファンにも慕われている。
そんなキラキラ光る千絃を見ていると、何故か遠くの存在に思えてしまう。
「響さんは大丈夫だと思いますけど、安心しきってると、月城さん取られちゃいますから気を付けてくださいね!あ、私は大好きな彼がいるから味方ですよ」
「………気をつけます」
「あ、それと……こんな話をしたって事は千絃さんに内緒ですよ!」
「何が俺に内緒だって?」
「月城さん!?」
「千絃っ」
会話に夢中になりすぎていたようで、背後に千絃が居たのに全く気づかなかった響と斉賀は驚きの声を上げた。まさに話していた張本人が後ろに居るとは思わずに、思わずギクリとしてしまう。
しかも、自分の名前が聞こえていたため、本人は少し不機嫌そうだった。
「で、何を話してた?」
「えっと………特には……」
「嘘つけ。やばいって顔してるぞ」
「月城さんがいかにモテるかを説明していたんですよー。今年のバレンタインを沢山チョコ貰ってましたもんねー?」
「………斉賀………お前な……」
企んだ表情の斉賀を見て、彼女が考えている事がわかったのか、千絃は響を見てはーっとため息をついた。