* * *
「おはよー」
「おはよう、紗羅‼︎
ねぇ聞いてよー、昨日のアレみたぁ??」
ざわざわと静まることのない、朝の教室。
晴れて4月から1年A組となった、春山紗羅は、どこか浮かない気持ちになりながらも友達の話に耳を傾けた。
(今日はあいつ、まだ来てないんだ)
紗羅が指している、あいつ_というのは、学年1と言っても過言ではないチャラ男である、瀬川波瑠だ。
何も考えずにアホみたいに楽しく生きているやつが嫌いな紗羅が、なぜ波瑠を気にするのか。
それは...
「お、紗羅ちゃん!
おはよう」
振り向かなくても、嫌でもわかる。
甘ったるい香水に、低いのによく通る声。
そう。アホみたいに無駄に絡んでくるから、である。
甘ったるい笑顔を貼り付けて挨拶をしてくる波瑠に、舌打ちをして逃げ出したくなる紗羅。
...だが、そんなことはしない。
(...なんなの)
紗羅は内心で悪態をつきながら、
いつもの笑顔を貼り付けたまま、波瑠の方を振り向いた。
「...瀬川くん、おはよう‼︎」
「おはよー」
「おはよう、紗羅‼︎
ねぇ聞いてよー、昨日のアレみたぁ??」
ざわざわと静まることのない、朝の教室。
晴れて4月から1年A組となった、春山紗羅は、どこか浮かない気持ちになりながらも友達の話に耳を傾けた。
(今日はあいつ、まだ来てないんだ)
紗羅が指している、あいつ_というのは、学年1と言っても過言ではないチャラ男である、瀬川波瑠だ。
何も考えずにアホみたいに楽しく生きているやつが嫌いな紗羅が、なぜ波瑠を気にするのか。
それは...
「お、紗羅ちゃん!
おはよう」
振り向かなくても、嫌でもわかる。
甘ったるい香水に、低いのによく通る声。
そう。アホみたいに無駄に絡んでくるから、である。
甘ったるい笑顔を貼り付けて挨拶をしてくる波瑠に、舌打ちをして逃げ出したくなる紗羅。
...だが、そんなことはしない。
(...なんなの)
紗羅は内心で悪態をつきながら、
いつもの笑顔を貼り付けたまま、波瑠の方を振り向いた。
「...瀬川くん、おはよう‼︎」