「俺、吐き気してきて、
そのまま麦茶受け取らず、
急ぐからって言って……逃げた。」

……まぁ、そうなるよね。

亮平に近い友達は、
亮平の潔癖症を知っている。
もちろん、トラウマのことも。
ある程度知っててもらわないと、
人間関係を損ねてしまう。
そう私が提案して、周知し、
みんなわかってくれた。

でも、そんなこと、知らないもんね。
佐伯さん。

「それで?
次の日に亮平から断ったんなら
振られたことにならないじゃん。」

「いや!違うっ!
まだあるんだ……」
と、亮平が訴えてくる。

まだあるのか……

「今日、昼休みに、あいつ俺の教室まで来たんだ。
……………弁当もって。手作りの。」

さも怖しげに、私の肩を掴んで言う。

………!
まさかの地雷パート2‼︎

「もう限界だと思った。
これは周りなんて構ってる場合じゃないって。
だから言ったんだよ、はっきり。

俺、手作りの弁当とかムリ。
気持ち悪くて食えねーわ。

って。」

あちゃー。
それ、絶対言っちゃいけないやつだ。