「うっ……」
個室の中に入り、鍵を閉めて便器を開ける。限界だったのか開けた瞬間、一気に口から物が出た。朝食に食べた病院食の匂いがトイレに充満する。
マズい。頭痛も押し寄せてきた。
俺は慌ててトートバックから薬とペットボトルを取り出す。薬を口に入れた後、ペットボトルの水を貪るように飲んで、俺はドアによりかかった。
「はぁっ、はぁ……」
走ってきたせいか、息切れがする。すぐに効くわけじゃないから、頭痛も吐き気もなかなか収まらない。心底嫌になる。早く落ち着け……。
「うっ!」
また吐いた。
病気は日に日に進行してる。頭痛はほぼ毎日あるし、ベッドで寝た切りなのに胃が逆流して吐き気が押し寄せてくる。まだ毎日ではないけど、三日に一回以上は吐いてる。しかも、吐く量が少しずつ多くなってる気がする。流石にそれは気のせいであって欲しいが。でもきっと気のせいではないんだよな……。
病気が発覚するまで三週間以上かかったし進行は遅いんだと思うけど、それでも進行はしてるんだから量も頻度も少しずつ増えるよな……。
親戚に裁かれているような気がする。ゆるく縛られた首の紐が親戚に笑って引っ張られて、少しずつ、ゆっくりとだが確実にきつくなっていくような感じだ。想像しただけで寒気がする。
「奈々ー? 顔色悪かったけど大丈夫か?」「奈々?」
ドアの後ろからあづと潤の声が聞こえた。その優しさと善意が辛い。……生きるのはやっぱり楽しくない。
人生を楽しむのも、楽しもうとすることも俺には無理だ。たぶん、一生。
個室の中に入り、鍵を閉めて便器を開ける。限界だったのか開けた瞬間、一気に口から物が出た。朝食に食べた病院食の匂いがトイレに充満する。
マズい。頭痛も押し寄せてきた。
俺は慌ててトートバックから薬とペットボトルを取り出す。薬を口に入れた後、ペットボトルの水を貪るように飲んで、俺はドアによりかかった。
「はぁっ、はぁ……」
走ってきたせいか、息切れがする。すぐに効くわけじゃないから、頭痛も吐き気もなかなか収まらない。心底嫌になる。早く落ち着け……。
「うっ!」
また吐いた。
病気は日に日に進行してる。頭痛はほぼ毎日あるし、ベッドで寝た切りなのに胃が逆流して吐き気が押し寄せてくる。まだ毎日ではないけど、三日に一回以上は吐いてる。しかも、吐く量が少しずつ多くなってる気がする。流石にそれは気のせいであって欲しいが。でもきっと気のせいではないんだよな……。
病気が発覚するまで三週間以上かかったし進行は遅いんだと思うけど、それでも進行はしてるんだから量も頻度も少しずつ増えるよな……。
親戚に裁かれているような気がする。ゆるく縛られた首の紐が親戚に笑って引っ張られて、少しずつ、ゆっくりとだが確実にきつくなっていくような感じだ。想像しただけで寒気がする。
「奈々ー? 顔色悪かったけど大丈夫か?」「奈々?」
ドアの後ろからあづと潤の声が聞こえた。その優しさと善意が辛い。……生きるのはやっぱり楽しくない。
人生を楽しむのも、楽しもうとすることも俺には無理だ。たぶん、一生。