「……ただいま」
俺は浮かない顔をして、家のドアを開けた。
「お帰りなさい、空我」
俺の青い髪を撫でるように触って、母さんは言う。
「うん」
「空我、私のこと、赤羽くん達にバラした?」
やば。早速、聞かれた。
「ばっ、バラしてない」
母さんから目を逸らして、首を振る。
「嘘は泥棒の始まりよ、空我」
母さんが俺の髪の毛を引っ張って、耳元で囁く。
「いっ! ご、ごめんなさい。バラしてはいないけど……その、奈々にライン見られた。母さんとの」
「ああ、そう。じゃあ、お仕置きをしなくちゃね」
「うっ!!」
包帯が巻かれた腕を、勢いよく叩かれる。
「空我、しー。お父さん、お風呂入ってるから。ね?」
「うっ……」
低くて小さなうめき声をあげて、頷く。
「靴、脱いで」
包帯が巻かれている俺の腕を掴んで、母さんは言う。
腕がめちゃくちゃ痛い。
「わかった。脱ぐから、母さん手離して」
「それはできないわ。だってこれは、お仕置きなんだから。靴なら片手でも脱げるでしょ」
俺は母さんを一瞥した後、ゆっくりと靴を脱いだ。
母さんが俺の腕を引きながら、階段を上がって二階に足を進める。
「か、母さん、痛い」
いい加減手を離して欲しい。振りほどいたら怒られるのがわかってるから俺から手を振りほどくのは無理だし、母さんに離してもらうしかないんだよな。
俺の部屋に着いたところで、母さんは手を離した。
俺はすぐにドアを開けて、母さんから逃げるように、自分の部屋に入った。
「ちょっと空我、まだお仕置きは終わってないわよ」
「け、怪我なら今朝散々した!!」
それとさっきの手を掴んでたので、おしおきなんてもう十分だろ。
「まあそれはそうね。怪我は、もう負わせないであげる」
「はって何だよ」
「こういうことよ」
母さんは俺のズボンのベルトに手をかけ、ベルトを外そうとする。
「か、母さん」
母さんの腕を掴んで、俺は必死で首を横に振った。
「抵抗はやめなさい。だってこれはお仕置きなんだから。ね?」
……おしおきなら何してもいのかよ。このクソ野郎。なんで俺、家帰ってきたんだろう。こんなことされるために帰ってきたわけじゃないんだけど。
「母さん、それで俺に何すんの?」
「それは教えない。とにかく今は、言う通りにして。でないとご飯は抜きよ」
「……わかった」
母さんの腕から手を離して、俺は頷く。虐待は嫌だけど、飯を抜かれるのもきついから、頷くしかなかった。
「いいこね、空我」
母さんがべルトを外して、俺の頭を撫でる。
俺は何も言わずに、口をつぐんだ。
「やっ」
ベルトを耳の上で巻かれ、目隠しをされる。
急に目の前が真っ暗になった。
怪我をしてない方の手でベルトを掴み、俺はベルトを外そうとする。
「空我、ご飯、本当に抜くわよ」
俺の腕を掴んで、耳元で囁く。
「ごっ、ごめんなさい。でもっ、怖い」
「じゃあお父さんがお風呂から出たら、外してあげる」
それじゃあ遅いにも程がある!
「何? もっと長くやって欲しいの?」
「ち、違う。もっと短くして」
「それは却下ね。だってあんたは、虐待をばらしちゃったんだから。その罪は重いわ」
ベルトの下にある瞳から、涙が溢れる。
……帰ってこなければよかった。こんなことをされるくらいなら。
俺は浮かない顔をして、家のドアを開けた。
「お帰りなさい、空我」
俺の青い髪を撫でるように触って、母さんは言う。
「うん」
「空我、私のこと、赤羽くん達にバラした?」
やば。早速、聞かれた。
「ばっ、バラしてない」
母さんから目を逸らして、首を振る。
「嘘は泥棒の始まりよ、空我」
母さんが俺の髪の毛を引っ張って、耳元で囁く。
「いっ! ご、ごめんなさい。バラしてはいないけど……その、奈々にライン見られた。母さんとの」
「ああ、そう。じゃあ、お仕置きをしなくちゃね」
「うっ!!」
包帯が巻かれた腕を、勢いよく叩かれる。
「空我、しー。お父さん、お風呂入ってるから。ね?」
「うっ……」
低くて小さなうめき声をあげて、頷く。
「靴、脱いで」
包帯が巻かれている俺の腕を掴んで、母さんは言う。
腕がめちゃくちゃ痛い。
「わかった。脱ぐから、母さん手離して」
「それはできないわ。だってこれは、お仕置きなんだから。靴なら片手でも脱げるでしょ」
俺は母さんを一瞥した後、ゆっくりと靴を脱いだ。
母さんが俺の腕を引きながら、階段を上がって二階に足を進める。
「か、母さん、痛い」
いい加減手を離して欲しい。振りほどいたら怒られるのがわかってるから俺から手を振りほどくのは無理だし、母さんに離してもらうしかないんだよな。
俺の部屋に着いたところで、母さんは手を離した。
俺はすぐにドアを開けて、母さんから逃げるように、自分の部屋に入った。
「ちょっと空我、まだお仕置きは終わってないわよ」
「け、怪我なら今朝散々した!!」
それとさっきの手を掴んでたので、おしおきなんてもう十分だろ。
「まあそれはそうね。怪我は、もう負わせないであげる」
「はって何だよ」
「こういうことよ」
母さんは俺のズボンのベルトに手をかけ、ベルトを外そうとする。
「か、母さん」
母さんの腕を掴んで、俺は必死で首を横に振った。
「抵抗はやめなさい。だってこれはお仕置きなんだから。ね?」
……おしおきなら何してもいのかよ。このクソ野郎。なんで俺、家帰ってきたんだろう。こんなことされるために帰ってきたわけじゃないんだけど。
「母さん、それで俺に何すんの?」
「それは教えない。とにかく今は、言う通りにして。でないとご飯は抜きよ」
「……わかった」
母さんの腕から手を離して、俺は頷く。虐待は嫌だけど、飯を抜かれるのもきついから、頷くしかなかった。
「いいこね、空我」
母さんがべルトを外して、俺の頭を撫でる。
俺は何も言わずに、口をつぐんだ。
「やっ」
ベルトを耳の上で巻かれ、目隠しをされる。
急に目の前が真っ暗になった。
怪我をしてない方の手でベルトを掴み、俺はベルトを外そうとする。
「空我、ご飯、本当に抜くわよ」
俺の腕を掴んで、耳元で囁く。
「ごっ、ごめんなさい。でもっ、怖い」
「じゃあお父さんがお風呂から出たら、外してあげる」
それじゃあ遅いにも程がある!
「何? もっと長くやって欲しいの?」
「ち、違う。もっと短くして」
「それは却下ね。だってあんたは、虐待をばらしちゃったんだから。その罪は重いわ」
ベルトの下にある瞳から、涙が溢れる。
……帰ってこなければよかった。こんなことをされるくらいなら。