斎藤は刀の手入れが終わり、
部屋に戻ろうとしていた。
翔太「あれは…翔太?」
斎藤は縁側で倒れる翔太を見つけた。
斎藤は翔太を抱え、幹部の部屋へ走った。
斎藤「大変だ!翔太が倒れた!」
藤堂「えっ!?大丈夫なのか!?」
斎藤「分からない。が、布団で休ませよう。」
原田「俺は土方達に言ってくる!」
翔太「うぅ…」
沖田「翔太!?大丈夫…??」
沖田が声をかけた途端、
髪は銀色に、目は金色に変化した。
藤堂「翔…太?」
藤堂たちの目の前には苦しそうに
髪や目の色が変化し、起き上がった翔太がいた。
沖田「翔太、起きて平気なの?」
翔太「…」
斎藤「翔太?」
翔太「俺は翔太じゃない。」
藤堂「は?」
翔太?「だから俺は翔太じゃない。
そうだな…翔太の中の人格だな、」
沖田「この前翔太が言ってた…」
翔太?「あぁ、そのうちの一つが俺だな。
翔太じゃ呼びづらいよな…
俺のことは琉、とでも呼んでくれ。」
藤堂「…琉はなんで翔太と入れ替わったんだ?」
琉「人間と関わるのは久しぶりだからな、挨拶しておこうと思ってな、」
近藤「翔太が倒れたって本当か!」
沖田「近藤さん…」
山南「いつもと様子が違うような…」
土方「お前は翔太か?」
琉「俺は翔太であり翔太じゃない。
説明…するか、
俺は翔太の中の人格の琉だ。
出てきたのは忠告しようと思ってな。」
土方「忠告…?」
琉「あぁ、翔太は何百年も生きているが
心は幼いままだ。
辛い時は俺らが守っていたが、
最近は覚醒の予兆が出ていてな、
あまり表に出られなくなった。
そこでお前らに俺らの意志を預けようと思ってな。」
山南「意志…とは?」
翔太「翔太を守って欲しい。
翔太の一族を殺した空雷はまだ生きている。奴に翔太の居場所が見つかってしまった。
もう隠れるのは無理だ。だがちょうどその時に覚醒が始まろとしている。
俺たちは表に出れなくなる。
だからお前らに助けて欲しいんだ。」
近藤「俺たちが責任を持って守ろう!」
沖田「僕達が守ります!」
藤堂「空雷なんてぶちのめしてやる!」
山南「翔太は渡しません。」
土方「心配要らねぇ」
琉「…そうか、だがあいつらは妖だ。
普通の刀では斬れないからな、
妖刀を渡そう。」
山南「妖刀…」
琉「あぁ、これは妖を滅することが出来る。15本程置いていく。
いざとなったら使ってくれ。」
近藤「ありがとう。翔太は俺らに任せてくれ。」
琉「あぁ、頼んだ。
俺以外にも人格はいる。
みんな翔太のことが大事なんだ。
俺は銀髪に金色の目、覚えといてくれ。
くれぐれも1人にしないでくれよな。
じゃあ。」
琉が戻った後の空気は静かだった。
誰も口を開こうとしなかった。が、
永倉「あ〜!土方さんこんな所に!!
探したんだぜ!!!
巡察終わって報告しようと思ったらいねぇーから心配したじゃねぇーか!」
原田「新八…お前本当に空気読めないな」(苦笑)
永倉「お?なんだみんな、そんなに
静かにして!なんかあったのか?」
藤堂「実はーーーーーーーー」
永倉「そんなことがあったのか!?」
永倉は空気が読めなかった。
ん…あれ?僕何して…
確か昨日息が出来なくて、それから?
斎藤「起きたか。」
翔太「一くん!僕昨日どうしてました?」
斎藤「縁側で倒れてたからな、
布団に寝かせたんだ。大丈夫か?」
翔太「大丈夫です。もう元気になりました!」
斎藤「そうか、では朝餉にゆこう。
終わったら試合があるからな。」
翔太「はい!」
道道。
土方「翔太は平助とだ。」
翔太「分かりました。よろしくお願いします、
平助くん。」
藤堂「手加減は無用だぜ!」
両者とも位置に着く。
土方「両者構え…始め!」
試合が始まると道場の空気が変わった。
両者とも動こうとせず、相手を見ていた。
藤堂「…俺から行くねっ!」
仕掛けたのは藤堂だ。
翔太は攻撃を交わし、相手の体制を崩す。
そこから後ろに回り込み、首に竹刀を突きつける
土方「…っ、勝者、翔太。」
藤堂「あ〜!負けた〜瞬殺かよ〜」
翔太「平助くんありがとうございました!」
藤堂「翔太ありがとな!」ニコッ
沖田「土方さん、僕翔太と試合したいです…」
原田「お前本気かよ!」
斎藤「俺も手合わせ願いたいな。」
原田「お前もかっ!」
土方「…そうだな、
翔太!まだ体力はあるか?」
翔太「あります!」
土方「そうか、なら総司と戦え。」
翔太は一瞬びっくりしたが直ぐに了承した。
原田「土方さん、どういうつもりだよ」
土方「原田、あいつが二刀流なのは知ってるよな」
原田「あぁ、」
土方「でもあいつは…翔太は二刀流じゃなかった。ってことは?」
原田「本気じゃなかった…?」
土方「そういうことになる。
総司が負ければあいつは隊士の中で最強だ。
あんなに小さいのにな、」
その瞬間、原田は悪寒がした。
沖田「土方さーん始めてくださいよ〜!!」
土方「わかったわかった。
両者構え……始め!」
先程と同じように空気がガラリと変わり、
お互いに様子を伺っている。
今回は…翔太がしかけた。
沖田「っ!?」
翔太の力が思ったより強く、沖田は体制を崩した
が、直ぐに立て直した。
沖田「翔太は強いですね♪」
そういい、沖田と翔太はしばらく打ち合っていた
がしばらくたった頃、沖田がある構えをした
永倉「総司のやつ、三段づきをするつもりか!?」
そう、沖田の得意とする技。三段づきの構え
をしていたのだ。
沖田「いきますね!」
沖田が三段づきを翔太に向けて打った。
が、何故か翔太は沖田の後ろにおり、竹刀を
首に押し付けていた。
沖田「…僕の負けですよ。」
藤堂「あいつ…すげぇな。」
原田「二刀流じゃない…?土方さん、」
土方「…あぁ、近藤さんはとんでもないものを
拾ってきたな」
斎藤「翔太、今度俺とも手合わせ願う。」
翔太「あ、はい!僕でよければいつでも!」
斎藤「感謝する。」
土方「近藤さん、翔太はどうするんだ?」
近藤「…彼を監察方に入れないか?」
土方「…なるほどな。」
永倉「なんで監察方なんだ?」
沖田「…翔太は試合中に足音がしなかった。
それに気配も完全に消していたんだよ。」
原田「…なるほどな。」
山南「彼は凄いですね。2人を相手したのに疲れていない。それに本気も出していなかった。」
近藤「…よし、翔太を監察方に入れよう。
危険かもしれないが同意してくれるか?歳、」
土方「あそこまでの腕前じゃな、」
近藤「翔太!お疲れ様、翔太には監察方に入って貰いたいんだがいいかい?」
翔太「!はい!!!」
翔太は、自分を認めて貰えて嬉しかった。
近藤「…彼は感情を表に出すようになってきたね」
土方「そうだな。」
近藤「今日はここまでにしよう!各自仕事をしてくれ。今日の非番は誰だったかい?」
原田「今日は俺が非番だ。」
近藤「原田くんか、原田くん。今日は翔太を連れて出かけてくれないかい?地形を覚えて欲しくてね、非番は近藤振替しよう。」
原田「任せてください!」
土方「と、言うわけだ翔太。お前は着替えてこい」
翔太「はい!」
原田「翔太〜!準備できたか?」
翔太「できました!行きましょう!左之さん」
原田「おぅ!」
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原田「どうだ?大体覚えたか?
無理ならもう一周するか、」
翔太「覚えました!」
原田「え?一回しか回ってないぞ?」
翔太「一回見れば覚えます!」
原田「なるほどな、じゃあ屯所帰ろうぜ!」
翔太「はい!」
原田「俺は一応土方さんに報告してくるから翔太は部屋戻ってろ」
翔太「はーい!」
原田「土方さん、失礼します」
土方「原田か、入れ。」
原田「失礼しま〜す」
土方「で、どうしたんだ?」
原田「実は、翔太は一回歩いただけで
地形を全部覚えたんだよ。」
土方「一回歩いただけでか?」
原田「あぁ、翔太の記憶力はやばいぞ」
土方「…そうか、ここに翔太を連れてきてくれ。」
原田「?わかったぜ。」