「良いから、大人しく抱かれてろ。気持ち良くないセックスしても楽しく無いだろうが」


「楽しみたくなんて……」



 無い。嫌いでいるために、憎んだままでいるために、してるのに。



「……んっ」



 絶頂の後の体はいつもより敏感になっていて、少し彼に触られただけで声が出た。



「何も考えるな。俺だけを見てろよ」



 「挿れるよ」という囁きと共に彼が入ってくる。

 その圧迫感に苦しい筈なのに、さっき感じた所を的確に擦られてその度に体が跳ねてしまう。


 ユウが唇を重ねた時に、彼の背中に腕を回してしがみつく。
 彼は私の首筋に口付けをしながら、私を揺さぶり続ける。



「レイ……」



 私が嫌だと口走ると彼は耳元で大丈夫だよと優しく言う。


 それから次第に高まっていき、ズンと突かれて大きな快感が体を駆け抜ける。同時にユウも達したらしかった。



「……はぁ、はぁ…………」



 すぐに脱力感と眠気が襲ってくる。



「……ユウ、眠い……」


「ん。今日は頑張ったからな。後はやっとくから」


「でも……」


「大丈夫だから。寝ちゃいな」



 ユウが頭をそっと撫でてくれて、私はその心地よさにいつの間にか意識を手放していた。