華のお父さんの言葉は、俺の心にずっとあったから。
だから華を守りに戻ってきたんだ。
そこまで華に話すと、華はボロボロ泣いていた。
「お父さん…ッ会い…たい…よ」
俺はただ抱きしめることしか出来なかった。
そして華のお父さんみたいに頭を撫でてあげる。
「先生もッ…わざわざ…保健室のッ先生なんてッ…ごめんなさい…」
俺はむしろ華のそばに居れたから嬉しかったのに。
そう思いながらも華が落ち着くのを待った。
華が落ち着くまでには時間がかかったけど、華はもうひとつの話も早く聞きたいみたいだった。
「先生の話って、何ですか……?」
少し怯えた顔をして聞いてくる。
そりゃそうか。こんな話聞かされたあとならし怖がって仕方ない。
でもこれはほんとに俺の気持ち。
ほんとは偽カレなんてしたくなかったこと。
華がただただ華が心配だったこと。
華の幸せが1番なこと。
でも。
20年間ずっと華のことが好きだったこと。