「オービ!起きて!オビってば!」


"ん?お嬢さんの声のような"
重たいまぶたを少し開ける。


「やっと起きた!遅かったから入っちゃったよ」


そこには少し困った顔をする白雪の顔。

今日は朝から主のゼン殿下に呼ばれてたから
白雪を迎えに行って一緒に向かう約束をしていた。


"やばい、すっかり忘れてた"


「おはよう。お嬢さんに起こして貰えるなんて朝から気分がいいや」


オビがニヤリと笑ってみせる。


「もぅ、誤魔化さないで!早く支度してください。」

 
困った様子でオビを見つめる。


「お嬢さん起こしてくれるかい?」


オビの手に白雪がしょうがないなと手をのばす。


「キャッ」


そのまま白雪の手を引いてベッドに倒す。


「お嬢さん男の寝室に入ったらどうなるかわかるかい?」


白雪の上になり意地悪に言う。


「ど、どうって、、///」


白雪はみるみる赤くなりオビとの視線をそらす。


「お嬢さんこっち見て」


白雪の綺麗な赤い髪を優しく撫でる。


「早くどいてオビッ!からかうのもいい加減にして」


弱々しい力だが本当に怒っている白雪と目が合い我に返る。


「な、なーんてね!からかいすぎちゃいましたね」


グイッと白雪の体を抱き上げベッドから起こす。
そして誤魔化すように背を向けた。


「さっ準備して主のところに一緒に行きましょう」


「一緒になんて行くわけないでしょ!オビのバカっ」


白雪は急ぎ足で部屋を出て行った。


「ちょっとお嬢さん!待ってくださいよ!」