「はい、苗ちゃん」


「ありがとうございます」


 お箸を渡す時に見せてくれた笑顔に安心した。


 良かった。


 雅暉さん、いつも通りに戻ってくれたのかもしれない。


 こってりした豚骨スープが疲れた体に染みる。


 はあ・・・・・・。


 こうやって雅暉さんとバイト帰りにラーメンを食べに来るのも何度目だろう。


 雅暉さんはラーメンを食べる時、いつも一口目にスープを口にし幸せそうに笑う。