「あはは、そうですね。空さん、いつも課題に追われてますもんね」


「なー!」


 お互いにぎこちなく笑っているのがわかった。


 恋愛に慣れていない私でも、この状況が気まずいことくらいはわかる。


 だけどもうどうしたら良いのかわからない。


 さっき「好き」だと伝えるチャンスを逃してしまったし、もうこれ以上どうやってさっきの話に戻したらいいのか。


「お待たせしました。味玉とほうれん草です!」


「ありがとう」


「ありがとうございます」


 いつものように店員さんが持ってきてくれるとすぐに雅暉さんがお箸を取ってくれる。