頭の中が雅暉さんでいっぱいで、何も手がつかなくなることや、雅暉さんのことを考えるだけで息が苦しくて、幸せにあと一歩手が届かない苦しさに。


 何度諦めようとしたって、私の中の雅暉さんに対する気持ちがそうさせてくれないことに雅暉さんはきっと、気が付いていないんでしょう。


 ねえ、知ってる?


 私は雅暉さんのことが好きなのに、雅暉さんが好きなのはまだ美舟さんなんだ・・・・・・。


「陽十香・・・・・・。私、どうしたらいいと思う?」


「苗・・・・・・・・・」


 私と陽十香は、店の端っこに行きみんなの輪から離れた。


 涙をこらえる私の顔を見て、陽十香はそっと抱き締めてくれた。