私も、一応の笑顔をした。


 陽十香は私の服の袖をぎゅっと掴んでいた。


「うん、じゃあみんな飲み物を高く上げてね、いくよ! 楽しもう! かんぱーい!」


「「「「かんぱーい!!!」」」」


 私も精一杯の明るい声でそう言った。


 嬉しいような、悲しいようなそんな気持ちだった。


 そうして食事会は始まった。


「苗・・・・・・」


「ん・・・・・・?」


「・・・・・・雅暉さん、きっと弱ってるからチャンスかもしれないよ」


 陽十香は小声で私に耳打ちをした。