和弥「昨日、京介と一緒に会いに行ってきた。
こないだの一件を聞くために。最初は関係ないと
言っていたが、京介が脅迫だったと警察に行くと
言い出してな…まぁ、最終的に認めたって形
なんだけど。」

「そっか…。和弥さんはさ…どこまで知ってる?」

和弥「…詳しいことは聞けなかった。」

「だよね、あの人が言うわけないもん。あのね…
私、和弥さんと付き合っちゃいけなかったの。」

和弥「はっ?」

「昔、あの人に言われたんだ…
医者に罹ろうなんて思うなって。お前は医者とは
関わっちゃいけない人間だって。
病院だと保険証とかで関係がバレる可能性が
あるんだよね?」

祖父と養子縁組を組んで実質上は祖父の扶養
だったけど、父親と祖父が繋がってるから。

「子供の頃は意味がわからなかったけど…。
結局…あの人は自分が1番大事だから、
私という存在自体を消したかったんだと思う。
この前…会った時にまだ生きてたのかって
言われたくらいだしね。」

…私という存在はあの人の汚点だから。

「お医者さんと付き合ったら、こうやって
あの人に会う可能性だって考えられたのにね。」

そう。自分でも分かってたはずだった。
…関わっちゃいけないって。

和弥さんに初めて会った時、本能的に感じた直感。
今思えば、あれはこの事だったんだと思う。

「…多分これ以上付き合ってたら和弥さんに
迷惑がかかる。あの人は何をするか分かんない。
だから…別れてください。」

和弥「……。」

「…いっぱい迷惑かけてごめんね。
今まで本当にありがとう。」

和弥「……。」

「あ、入院費とかはちゃんと働いて返すから。」