「桃井さんって、万里くんと知り合いなの?」

「は? なんで2人に接点あるの!? 真逆じゃん!?」



ど、どうしよう……いったいどうしてこんな状態になったんだろう……。

万里くんの背中を、じっと見つめる。

西田くんの表情は見えないけれど、一歩後ずさったのがわかった。



「えっと、佐伯だっけ? どうしたのかな?」

「俺はお前が誰か知らないけど……」



万里くんはそう言って、私の肩にそっと手を置いた。



「桜は俺の彼女だから、誘わないで。ていうか話しかけるな」



開いた口が塞がらないというのは、まさに今の私のことを言うんだろうと思った。

 ―か、かのじょ?



「「「きゃー!!」」」



教室に、女の子の悲鳴があがった。

私はパニックになりながら、ただ万里くんの背中を見つめることしかできない。



「っ、は? 嘘だろ……?」