日奈子ちゃんを巻き込むわけにはいかないし、私だって西田くんと一緒にいるのはちょっと……。

どう断ろうかと、頭を悩ませる。



「誰誘ってもいいよ。ほら、桜ちゃんは日奈子ちゃんと仲良かったっけ?」



どうしよう、どうしようっ……。



「用事がある」ってひと言言えばいいだけなのに、言葉が出てこない。



ちゃんと、言わなきゃっ……。



「あの、日曜日、は……」

「――悪いけど、日曜は俺が先に約束してるから」



……え?



「万里、くん……っ」



いつの間にいたのだろうか。万里くんが西田くんの後ろにいて、私のほうへと歩み寄ってくる。そして、私の壁になるように、西田くんの前に立った。

教室に、いつもの騒がしさとは違うざわめきが起き、視線が万里くんのほうに集まっている。



「ちょっと、なんで万里くんがうちらの教室に……!?」