「……佐伯とはどうなったの?」

「え? どうって……何も……」

「ふーん、そう……。あのさ、もし佐伯とうまくいかなかったら―」

「ねえ、桃井さんだよね……?」



西田くんの言葉を、誰かが遮った。

声が聞こえたほうを見ると、私の前に同じクラスの男の子が3人立っていた。



「え……は、はい……」

「すっげー可愛くなったね……! びっくりした……!」



……か、可愛い……?

この人たち、いったい何を企んでいるんだろう……っ。



「ていうか、佐伯のこと振ったってほんと?」



――え?



「別れたんだよね?」



男の子たちの言葉に、驚いて反応が遅れた。

どういう、こと……?



「最初聞いたときは信じられなかったけど、これだけ可愛かったら納得だわ~」



私が万里くんを振ったってことになってるの……?